なんだかやたらと眠く身体が重い。確実な寝不足なのだけれども、しかしいざ眠ろうとすると寝付けない。朝も気持ちのよくない目覚めで、昼頃は途端に眠くなる。生活の歯車がどこかで微妙にズレてしまったのかもしれない。思い当たる節は、あるようで何もない。

さっき一度眠ろうとした。その前に軽く、寝そべりながらストレッチを行なっていると冷蔵庫のあたりからポタポタと水の滴る音がする。

ポタポタ、という音が最初聞き取れずに虫が出たのかと動きが止まり、耳をよく済ますと水の音だったので安心した。この時期になると虫が蠢きだし、同時に私の神経も過敏になる。見つけたくないのに虫を見つけるのが異常に早い。気が付きたくないなあとは思うが放置しておくのはもっと嫌だ。毎年夏が来ると憂鬱になるのは、暑さもそうだけれど第一に虫が出ること。途端に参る。

 

いま何だか、頭がぼんやりとするので眠れる気がする。薬を飲んだあとのような、夢現の心地。なんだろうか、おやすみなさい。

 

 

 

日記を見返して久しぶりに思い出す事があって、思い出しているうちにその人を恋しく思った。逆にいえば、あれだけ濃い記憶だったというのにもう思い出さなくなっている。思い出せなくなった記憶はもっと多い。なんてさみしいことなんだろう。

ああ忘れていたなあ、と気がついた途端に、時が経つことの残酷さと、そして現実味が薄れてゆくことの切なさが込み上げてくる。

曖昧な思い出の淡い部分を、忘れないようにと何度も思い出しているうちに、まるでそれは夢だったように思えてくる。なんてさみしいことなんだろう。

 

あの時にどうすればよかったのか、そればかりが頭を巡る。

人に向き合うことが、私は本当の意味で出来ていない。 わたしはそんな人間だったのか。 

 

見つからないものはなくて、すぐそこにあるけれどひとりでは見たくない。

一緒に見つけていきたかった。それを放棄したのは、手放したのはわたしだ。

調子の良い奴だと思う。

 

誰かのそばにいることが、ただの形だけであるならばこんなに無意味なことはない。わたしは心を共有したい、なにもないところで、一緒に豊かになりたい。

 

ゆたか 

 

なにもないのになにもかもある

愛、みたいな、ものの。

 

 

 

 

 

もうだめだ かつてのSがわたしに対してとっていた態度を今の恋人にとってしまっている わたしはその態度、言動にいつもイラついていたというのに 言ってしまったものはもうどんなに謝っても取り返せない 離れるか離すか、辛抱強い人などなかなかいないはずだ かつてのSの気持ちが いま初めてわかった 辛かったろう苦しかったろう、そうして言ってしまったあと、激しい自己嫌悪に陥る気持ちも 色々が進行していくなかで 息が目一杯詰まる 恋人は簡単に手を差し伸べない わたしが自力で歩くのをとおくからみてる そう どんなに迷っても ひとりで歩いていかなきゃならないんだよと そう言えば言われたのだった

恋人がいるが、好きかどうかわからない。最近は歩いているときに、女の人ばかりに目がいく。綺麗な人を見たいと思う。教習所が終わって、どっと疲れ、家に帰ると途端に安心した。この狭い部屋の方が、すごくすごく好きだ。この部屋がある限り、ずっと一人でいられると思ってしまう。

いろんなことを考えながら、りんごを切って食べ、納豆をかき混ぜカレーに入れ、硬いゴマパンを無心で頬張ったりした。

ラインの友達やフェースブックの繋がりをことごとく消したいと思った。

 

仕事を辞める気でいたが、仕事は仕事だと割り切れば、あんまり悪くないかなと思う。

 

とにかくひとりでいたい。仕事が終わったらすぐに家に帰りたい。

 

一週間で、5冊の本を買った。

クライスラーのバイオリンを毎日聞いている。人生の、悲しみと甘さをすくったような音を出す人だ。

 

恋人がここにきているとき 好きなだけひとりにさせてくれたが わたしは誰かの恋人という時点で それはもうひとりではない、ずっと一人で良い。

 

お婆さんになった時のことをよく考える。オールナイトの映画に、一人で来らような、ひとりだけれど確実に満たされているような、そんなお婆さんになりたい。

 

申し訳ないけれど、やっぱり誰とも一緒にいられないなとおもう。

 

ひとりは 満たされる

減ることがないから。

 

 

特になにもないけれど、今日はやたらと機嫌が良い。実際にはなにもないわけではなく、教習所が始まるためあと1時間後には車に乗って、きっとアクセルの踏み方から教わっているのだけど。

 

落ち込む時も、特別なにかがあるわけでもなく、機嫌が良い時も、特別なにかがあるわけでもない。何によって左右されているのだろう? 

 

いつでも機嫌が良い状態を保つことはきっと難しいけど、なんでもない風景をやさしい眼差しで眺めることができるような気がする。

やはり杉田さんに会いたいな、

散歩をするだけで心がほかほかするからだ。いっしょに空気を吸うだけで、身体の奥がじんわり満たされてゆくからだ、目の中をのぞきこむと、お月様が映っているからだ。

 

あの時間を通過できたことがどれだけ幸せだったか。